CATV区域外地上波・BS(トランスモジュレーション方式)をPCでTS抜き受信する:Re

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CATVのトランスモジュレーション方式をパソコンで受信する夢を見た話。

旧記事のリライトです。

注意点

CATVの放送は規格化されているため、おおむねどのケーブル局でも同じような仕様で配信をしていますが違う部分があるかもしれません。
あくまで自己責任でお願いします。
ここにあるのはとある地方の県庁所在地にあるCATV局を見る話です。

オレンジのカードの話

ケーブルテレビを受信するSTBにはB-CAS(4K STBの場合はA-CAS)とC-CASが入っています。
Jのつく大手など一部の局ではA-CASがC-CASの専門チャンネル復号機能を兼ねている場合もあります。
基本的に、再送信である地上波とBS放送・BS4K放送はB(A)-CAS、その他のチャンネルはC-CASで処理しています。
地上波・BS放送は赤いカードでも青いカードでも復号自体はできます(青カードはBS有料チャンネルが契約ができないのみで無料放送の視聴自体は可能)が、CATVではなくCSで有料放送の契約をオレンジのカードでやると不具合が起きることがあるのでご注意を。

STBのC-CASを抜いた状態で見れるチャンネルはB-CASで処理されていると思っていていいです。
思っていていいですとしたのは、お天気チャンネルやショップチャンネルなど一部の無料放送はノンスクランブルになっている場合があるためです。

fork版libaribb25など明示的にカード切り替えできる仕組みを使わないとカードの切替ができないため、リアルタイム視聴をしたい場合をのぞいてC-CASはスクランブル状態で保存しあとで解除するほうがいいです。
リアルタイム視聴の場合は多段解除(BonDriver_BDAで地上・BS・CSを、視聴側のTVTestでCATVを解除)、録画時はあとからMulti2Decで解除するのがラクかなと個人的には思っています。

受信できるチューナー

詳しくは別記事にあります。

かいつまんで言うとTBS社のチューナーでDVB-CまたはISDB-Cに対応しているチューナーであればほぼ対応していると思っていいです。
ISDB-CはDVB-Cの派生規格なのでTBS社以外のチューナーだともしかしたら受信できないかも。

この記事では私の所持している以下の2チューナーを利用する場合のファイル作りを行います。

2チューナー・内蔵・ロープロファイル

この記事で取り扱っているのは、「TBS6281SE」となっています。
「TBS6281SE v2」が届く場合があるとレビューにあり、その場合は一部導入方法が異なります。

1チューナー・外付け

現在では同じASINで「TBS5520SE」と「TBS5530」が出品されています。
今回利用したのは「TBS5520SE」となります。

取り付けとドライバ導入

内蔵チューナーの場合、スロットを変えるとDrop状況が改善する場合がありますので運用しながら様子見をしてみてください。
また、マンション用の可変ブースターで信号強度を調整するとDrop数が減る場合がありますのでご参考までに。
内蔵RF OUTは利用しても特に問題はないかと思いますが、できれば分配器を用意するほうが良いかと思います。
BS/CSのレベルに影響が出ないように分波器の地デジ側を分配して入れてあげます。(BS/CS波はカットします。)
USBチューナーでは「RF IN」側にアンテナ線を差し込みます。(LNB INはスカパープレミアムなどの衛星用です。)

チューナー用ドライバを導入します。TBS社の場合、公式ホームページからダウンロードできます。
TBS6281SE TBS6281SEv2 TBS5520SE TBS5530
TBS6281SEのように「DVB-C Windows Driver」がある場合はそちらを導入します。(DVB-C専用チューナーに固定されます。)
その他のマルチチューナーでは「Windows Driver」または「Windows 10 Driver」を導入し、別途「Change Mode Tool」を解凍しておきます。

モード固定

「Change Mode Tool」が必要なチューナーの場合、Change Mode Toolで受信する波を選択します。

プログラムを起動し「Read」をクリックすると現在のモードがチューナーから取得されます。
下のプルダウンから「DVB-C」または「ISDB-C」を選択し「Set」をクリックするとチューナーのモードが切り替わります。

チューナーの名前やIDを調べる

BonDriver_BDA」をダウンロードし、「BonDriver_BDA.dll」を利用するBonDriver対応アプリの指定フォルダに配置します。
同じフォルダにデバッグファイルを書き出す「BonDriver_BDA.ini」を配置します。内容は以下のとおりです。

その後、「BonDriver_BDA.dll」をTVTestなどで開くと「BonDriverの初期化ができません。」などのエラーを返しますが、デバッグのログファイルが同じフォルダにできます。
内容を確認すると、[InitDSFilterEnum]欄に認識されているチューナーのGUIDやFriendlyNameが表示されていると思います。

BonDriver_BDAの設定をする

続いて本番用にリネームした「BonDriver_BDA」とiniファイルを用意し、以下のように設定します。

2行目のFriendlyNameを先ほど調べたログファイルのTuner FriendlyName(画像でいう15行目)に書き換えます。
10行目・11行目のDVBSystemTypeを正常に動くほうに変更します。

もし、256QAMで放送されているチャンネルがあればチャンネル名の前の0を1に変更し該当行のコメントアウトを外してください。

「SignalLockedJudgeType=”Always”」としているのはチャンネルロックできなかった場合にTVTestのチャンネルスキャンができない場合があったためです。

TSMF対応

TVTestで以下のようなチャンネルではTSMFが利用されています。

  • 選局したときに番組情報が点滅(表示・非表示を繰り返す)
  • Dropカウントが回る
  • 映像、音声ビットレートが本来の放送の半分程度
  • チャンネルスキャンできないことがある

最新バージョンのBonDriver_BDAではTSMFが利用されているチャンネルを分離することができます。

なお、Dropカウントが回ってチャンネルスキャンができていないチャンネルでも送信されているデータのビットレートが異常に高い(30Mbps以上)、番組情報やサービス名が一切表示されない場合はBS4Kの再送信チャンネルである場合があります。
BS4Kの放送開始時期的にVHFのデジアナ変換跡地などに入っていることがあるようです。
satonoka 4K(旧ケーブル4K)は従来の64QAM超高精細度4K専用TVサービスで放送されていることが多いようで、この場合は互換性があるため受信ができます。(スクランブルは各CATV局の方針によりノンスクランブルだったりC-CASまたはA-CASであったりします)

まず、TVTestで現象が発生する物理チャンネルを調べます。
その後、該当するチャンネルのCH◯◯◯行のコメントアウトを外します。
行末の「0」が該当物理チャンネルの中での相対的なTS番号となっていますので、0のまま・1に変更・2に変更・3に変更と順に試していきます。
その中で実際に放送が落ちてくるTS番号をメモしておきます。
放送が落ちてくるTS番号がひとつだけの場合、コメントアウトを外したままそのTS番号にしておくと上書きとなります。

放送が落ちてくるTS番号が2つ以上ある場合、チャンネルを追加する必要があります。
ファイルの末尾、155行目以降に行を追加し元のチャンネル行をコピーしてきます。
その後、通し番号となるようにCH◯◯◯をCH122などと変更し、元の行とは別のサービス分のTS番号、物理チャンネル名のコメントをわかりやすく変更するなどして完成です。

たとえばC63chでTS番号1番と2番で送信されている場合、このようなiniファイルとなります。

正常に分離できているか確認してください。

基本的にはBSのTSID指定と同じような仕組みだと思ってもらえれば大丈夫です。

おまけ

以上のことができれば全チャンネル視聴できるかと思いますが、おまけです。

チューニング空間をわかりやすくする

最低限の設定を行えば視聴はできますが選局時に地デジもBSも専門チャンネルも同じチューニング空間にあるためわかりづらくなります。
地デジを送出している物理チャンネル・BSを送出している物理チャンネルを別途手動で別のチューニング空間に振り分けておくと良いと思います。

実際に行うにはまず振り分ける地上波チャンネル・BSチャンネルの物理チャンネルをメモした上で、

このようなiniファイルとし、それぞれのチューニング空間にコメントアウトを外したチャンネルを振り分け、残りはCATV空間に突っ込んでおくと良いと思います。
ReserveUnusedChを1にしてオンにするとCH◯◯◯の数値がめちゃくちゃでも自動でつめてくれますのでコピペだけで済むはずです。

BonDriverProxyExで使う

地上波系、110度衛星系とは別にグループを作れば問題なく使えます。

EDCBで使う

EDCBで使うには通常通りBonDriverの設定、チャンネルスキャンを済ませます。
その後、トラモジチューナー優先度を最低(正確には地上波・BS/CSより下)に設定します。

パススルーを優先するようにしていないと先にトラモジチューナーが区域内再放送やBS再放送で先に埋まってしまい、区域外再放送がチューナー不足で録画できない場合が発生します。
CATV局が地デジ・BS再送信であればTSIDが同じのため同一チャンネルとして名寄せされます。
CSも再送信であれば同じくTSIDで名寄せされますが、C-CASで復号する自主放送である場合がほとんどなのでスカパーとして受信したい場合は別途アンテナを立ててください。

もし大雨でBSの受信が不安定であるなどの理由でトラモジを強制指定したい場合、予約ごとに使用チューナーを「自動」からケーブルテレビのチューナーへ変更してあげればOKです。

その他こばなし

別ページにあるのでそちらもどうぞ。