CATV区域外地上波(トラモジ)をPC受信するはなし
アニメよくやる独立局やテレ東系は区域外再送信でSTBじゃないと見れないことが多いです。
トラモジのPC受信ができましたので、そのメモを残しておきます。
TS抜きのある程度の知識と環境があること前提で書いています。
新記事にリライトしています。
注意点
すべてのケーブル局で同じ仕様とは限りません。
受信できなくても文句言わないでください…。
リマックス方式のCATV局で確認しています。
リマックス方式かどうか
STBのサービスメニューでネットワーク名に「リマックス」とか「i-Hits」ってあればいいらしいです。
「リマックス」は、J:COM系列とかの日本デジタル配信(JDS)の局で見れました。
PanasonicのTZ-LS300シリーズの場合、サービスメニューへの入り方はこちら。
受信設定でデータ放送用の緑ボタンを押すと、周波数とサービス名が出てきます。
CAS関係の話
STBにはB-CASとC-CASが入っています。
つまりB-CASで処理するチャンネルとC-CASで処理するチャンネルがあるのです。
B-CAS処理するチャンネルは、地上波とBS再送信のチャンネルです。
C-CAS引っこ抜いたSTBで見れるチャンネルが今回の方法で見れるようになります。
お天気チャンネルやショッピングチャンネルはCATV局によってノンスクランブル(B-CAS、C-CASともに不要)の場合があるようです。
C-CASが必要なチャンネルは、別処理をかませることで受信できるようになります。
スクランブル解除が必要なソフトのフォルダにB25Decをぶち込めばスクランブルが解けます。
チャンネルによって使うカードを明示指定ができないため、SpinelでB-CAS、視聴ソフトでC-CASにするなど対策が必要です。
ただし、パナソニック式のC-CASのみ。ほかにパイオニア式、日立式もあります。
未契約のチャンネルはもちろん受信できないのであしからず。
NHKワールドTV(C-CASスクランブル)を見れたのでご報告。 pic.twitter.com/PyO7Qpwsxl
— (まっちゃ .̫ .`)🍵 (@maccha_pie) April 29, 2017
受信できるチューナー
詳しい解説は別サイトにありますので、ここではさくっと。
TBS社のチューナーでDVB-Cに対応しているチューナーならOKのようです。
ケーブル4Kはチューナー少ない上、本放送でCASまわりがどうなるか未だにわからないためここに金かける意味はあまりなさそう。
基本的にはDVB-Cと仕様は同じですが、派生規格なので受信できないチューナーもあるかも。
自分が使ったのは、TBS6281SEです。
内蔵PCIeが開いていたらこのチューナーで確定でいいと思います。
この前にTBS5220を2台買ってみましたが、Drop頻発で1台不良品が入っていたため返品しました。USBチューナーは安定性が微妙なようです。
B-CASはW3PE内蔵カードリーダー使用。
ほかにも以下のチューナーでも行けるかと。
やっすいお試しチューナーとしてはT230Cなどがあります。
T230C導入メモ
セットアップとドライバ導入
スロットはできるだけ高速なスロットにさしましょう。
30分アニメの録画に10前後のDropが起きる場合、スロットを変更すると直る場合がありました。
おすすめはグラボ用のx16スロットに差し込むのがレーン数にも余裕ができてよさげです。
ただし、グラボを使っている場合、合計レーン数の関係でグラボの接続速度が下がる場合があります。
詳しくはマザーボードのメーカーに聞いてみてください。
6281SEには、RF OUTがついているのでちょっと複雑でごちゃごちゃしますが、ケーブルの本数が少なめでセットアップできます。
BS/CSのレベルが下がらないよう分波器のあとで分離しましょう。
CATV対応の分波器を使っているかも一応確認しておくといいかも。
あまりにレベルが低くてW3PEやPT3等の既存チューナーがDropする場合、ブースターを噛ませるか、RF OUTを使わず分波器直後に分配器をつけて地上波にさすといいと思います。
あとは謎Dropが発生する場合。
内蔵分配を使う場合、分波器の地上波側を6281SEのRF INに、RF OUTからW3PEの地上D端子に挿します。
装着後、TBSのサイトからドライバをダウンロードしてセットアップしておきます。
6281SEならこちらから。DVB-C用のドライバをインストールしておきます。
BonDriverのセットアップ
BonDriverをセットアップしていきます。
BonDriverはBonDriver_BDA改を使います。リリースページから最新のビルド版をダウンロードします。
ランタイム内蔵版の使用するクライアントのbit数にあったものを解凍しコピーを作ります。
それぞれ「BonDriver_TBS_6281SE_C0.dll」と「BonDriver_TBS_6281SE_C1.dll」にリネーム。
同じフォルダに「BonDriver_TBS_6281SE_C0.ini」と「BonDriver_TBS_6281SE_C1.ini」の空テキストを作っておきます。
実際に使えているiniファイルを圧縮してアップしました。
以下コピペで使ってもらっていた頃の記事です。
BonDriver_TBS_6281SE_C0.iniの中身
以下の通りにして上書きします。
[Tuner]
FriendlyName=”TBS 6281 DVBC Tuner 0″
CaptureFriendlyName=”TBS 6281 DVBC Capture 0″
Name=”DVB-C”
DVBSystemType=3
NetworkProvider=1
DefaultNetwork=3
SignalLevelCalcType=”BitRate”
[BonDriver]
DebugLog=0
[Modulation]
ModulationType0SettingsAuto=”J.83C-64QAM”
[Channel]
ReserveUnusedCh=1
[TuningSpace00]
TuningSpaceName=”CATV”
ChannelSettingsAuto=”TransModulation”
BonDriver_TBS_6281SE_C1.iniの中身
以下の通りにして上書きします。
[Tuner]
FriendlyName=”TBS 6281 DVBC Tuner 1″
CaptureFriendlyName=”TBS 6281 DVBC Capture 1″
Name=”DVB-C”
DVBSystemType=3
NetworkProvider=1
DefaultNetwork=3
SignalLevelCalcType=”BitRate”
[BonDriver]
DebugLog=0
[Modulation]
ModulationType0SettingsAuto=”J.83C-64QAM”
[Channel]
ReserveUnusedCh=1
[TuningSpace00]
TuningSpaceName=”CATV”
TSMFMode=”Relative”
ChannelSettingsAuto=”TransModulation”
Spinelのセットアップ
Spinelが使えるとネットワーク経由で見れるし便利だよね。っていうことでSpinelのセットアップをしていきます。
Spinelのフォルダにある「BonDriverMapping.json」を開き以下の内容を最終行の「]}」の上に以下のものを追加します。
/* BonDriver_TBS6281SE */
{
“DeviceName”: “TBS6281SE”,
“Mapping”: “^BonDriver_(TBS_)?6281SE_C.*?\\.dll$”
},
また、「DeviceDefinitions」フォルダにデバイス定義を追加します。
TBS.xmlという空のテキストファイルを作成し、以下を保存します。
<?xml version=”1.0″ encoding=”UTF-8″?>
<DeviceDefinitions>
<DeviceDefinition DeviceName=”TBS6281SE” DisplayName=”TBS 6281SE DVBC Tuner”>
<TunerDefinitions>
<TunerDefinition TunerType=”ISDB_T” Count=”2″>
<ChannelCategories>
<ChannelCategory>CATV</ChannelCategory>
<ChannelCategory>UHF</ChannelCategory>
</ChannelCategories>
</TunerDefinition>
</TunerDefinitions>
</DeviceDefinition>
</DeviceDefinitions>
定義体は見かけ上のもので、チューナータイプがISDB-Tになっていますが何でもいいんです…。
DVB-Cの定義がないので、ISDB-Tとして認識させます。
好みで「ISDB-S」やら「DVB-S」にしても構いません。
最後にSpinelのBonDriverフォルダに先ほど作ったBonDriverのDLLとINIを2チューナー分入れればOKです。
各チューナーの動作確認
Spinelのセットアップが終わったら、Spinelを起動し、「TBS 6281SE DVBC Tuner デバイス」のツリーに「地上D チューナ1 (TBS6281SE/0/T/0)」と「地上D チューナ2 (TBS6281SE/0/T/1)」が表示されていたらSpinel側の準備はOKです。
EDCBやTVTestに「TunerPath = “TBS6281SE/0/T/0″」や「TunerPath = “TBS6281SE/0/T/1″」にセットしたBondriver_Spinelを認識させます。
チャンネルスキャンをしていくとチャンネルが認識されればひとまずセットアップ成功です。
録画失敗をしないために
EDCB等で録画する場合、地上波は大丈夫だと思いますがBSのほうで失敗することがあります。
BSはビットレートとリマックスの都合なのかこのチューナーで復調できないかたちで送っている場合、ガラパゴス規格で面倒な処理が行われることがあるためです。
TVTestで全チャンネルを確認の上、受信できないチャンネルをEDCBの「Setting」フォルダにあるチューナーのスキャン結果から間引いてください。
BonDriver側でTSMF対応させるのはうしろに書いています。
そもそもEDCB側のスキャンに引っかからないと思いますけど…。
CATVトラモジでのBS再送信は受信センターの大きなパラボラアンテナで受信しているため雨風に強いです。
その反面、チャンネルスキャンで検出されても実際にはDropが出て受信できないチャンネルもあります。
再送信チャンネルは地上波BSともにネットワークID、チャンネルIDが変わらないためEDCBの処理では同チャンネルとして扱われます。
既存のチューナーと連携できますので、チューナー使用の優先度をいじって自分好みの環境にしてみてください。
大雨の日だけチューナー強制指定でCATVを使うという方法もあります…。
CSチャンネルとCATV専門チャンネルは110度CS再送信の場合を除きネットワークID、チャンネルID、スクランブル方式が異なるため同内容であっても別チャンネルとして扱われます。
中身を見るとビットレート等も違うので見れる人は画質比較でもどうぞ。
小ネタ
STBで振られるリモコンキーIDと一般的なテレビやレコーダーでふられるリモコンキーIDは別のようです。
STBでチャンネルスキャンを行うと、ヘッドエンドから送出されているSTB側の制御信号にしたがってプリセットされるようで。
これは区域内再送信と区域外再送信とを枝番にしない対策だと思われます。
なので、トラモジ経由とパススルー経由では完全に同じデータではないです。
例えば、「広島県のCATVがサンテレビを再送信しようとしたところ、RCCがリモコンキーID3をつかってるので、かぶらないように6にする」とかそんなことができるわけです。
TS抜きチューナーを使うソフトでは、SI情報にあるリモコンキーIDを拾うため、放送局の指定IDになります。
そのため、STBでプリセットされるリモコンキーIDとTS抜きで使うリモコンキーIDが違うことが起こります。
ちなみにトラモジでは「0x002f」(多重フレームヘッダの識別用PID)が増えたりします。
BonDriver_TBS_5520SE_C0.iniの中身
なんかアフィ経由で購入者が増えていたので置いておきます。
モード切替アプリでDVB-Cに切り替えることを忘れずに。
[Tuner] Name=”DVB-C”
DVBSystemType=3
NetworkProvider=1
DefaultNetwork=3
FriendlyName=”TBS 5520 BDA Tuner”
CaptureFriendlyName=”TBS 5520 BDA Capture” [BonDriver] DebugLog=0 [Modulation] ModulationType0SettingsAuto=”J.83C-64QAM” [Channel] ReserveUnusedCh=1 [TuningSpace00] TuningSpaceName=”CATV”
TSMFMode=”Relative”
ChannelSettingsAuto=”TransModulation”
TSMF対応
TVTestでスキャンされたチャンネルのうち以下の現象が出るチャンネルはTSMFで送信されています。
- 選局したときに番組情報が点滅(表示・非表示を繰り返す)
- Dropカウントが回る
- 映像、音声ビットレートが本来の放送の半分程度
この場合、20190202以降のBonDriverではBonDriver側で整ったTSに整形できるようになりました。
まず、TVTestで使われている物理チャンネルを調べます。
設定のチャンネルスキャン画面から正常に視聴できないチャンネルの物理チャンネルを確認してください。
ChannelSettingsAuto=”TransModulation”で指定している場合は下のアコーディオンの中から正常に視聴できないチャンネルに対応している行をコピーして「ChannelSettingsAuto=”TransModulation”」の下の行に追加していってください。
もし反応がなくなったら、行末の0を1や2などに書き換えて試してみてください。
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