5Gセルラーで珍しい防水お風呂タブレット「dtab d-51C」レビュー

5Gセルラーで珍しい防水お風呂タブレット「dtab d-51C」レビュー

本気で使おうと思って買ったのに諸事情で手放すことになったので一応文章として残しておこうと思った記事です。

スペック

セルラーのAndroidタブレットとしてはごくごく標準的なスペックですが、そもそも製品サイクルがスマホほどではないというデメリットを抱えているAndroidタブレット市場なのでスマホ比では数年遅れのスペックとなっています。
SoCはSnapdragon 695で2021年末にデビューした当時のミドルレンジスマホによく搭載されていたモデルとなります。
相当古いSoCを積んでいます。

メモリは4GB。現状6GB以上のキャリアタブレットは出ていません。
ストレージは64GBでこちらも同様です。

少し変わったところでSIMカードはeSIMのみ対応となっています。
microSDには対応しておりSDスロットの横にSIMカードも付けれそうな空間はあるのですが、eSIMでしかSIMが使えません。

バンドとしては5Gはn1、n28、n78、n79対応、4Gはバンド1/3/18/19/21に対応となっています。
5G SAには非対応です。
ドコモはもちろん、au系のSIMではプラチナバンドが使用でき問題なく利用できると思います。
ソフトバンク系はバンド8に非対応で都市部とまでは行きませんが、過疎地域などではつながらないことが多くなります。
楽天モバイルでは自社回線(バンド3)とauのローミング(バンド18)に対応していますが、自社プラチナバンド(バンド28)に非対応のため今後つながりづらくなる可能性があります。

SoCの関係でWi-Fiの規格も古く、Wi-Fi 5(ac)までにしか対応していません。

デザイン

シンプルなデザインで特に書くことはありません。

裏面はシボ加工されたプラスチックでガラスではありません。
高級感こそありませんが道具として使うなら指紋などもつかず使いやすいものだと思います。
ガラスでないので落としても割れませんし。

重量やサイズ感はこの10インチクラスでは標準的なものだと思いますが、ディスプレイのベゼルが太く画面サイズが小さく感じられます。
実際、d-51Cと同じ10.1インチの1920×1200のタブレットとしてNEC(Lenovo)のLAVIE Tab T10などがありますが、235mm×154mmと一回り小さいサイズになっています。(d-51Cは246mm×170mmです。)

カメラを上にして横持ちにしたときにイヤホンジャックのみ本体の右側、USB端子やボタン類と指紋センサーはすべて左側に来るようになっています。

お風呂対応防水

5G対応のキャリアセルラーAndroidタブレットは2025年4月現在で「シャープ」「京セラ」「Samsung」「Lenovo」の4メーカーが製造しています。
このうち、Lenovoをのぞく3メーカーがIPX6・IPX8対応の防水タブレットを販売しており「お風呂対応」を明記しているのはシャープのみです。
と言ってもIPX3(防雨くらいの階級)のLenovo以外のタブレットならお風呂にドボンせずに浴室で使う程度なら大丈夫だと思いますが。

ベンチマーク

Antutuベンチマークを回してみるとスコア43万でした。

総合スコアでは同じSoCを積んでいるOPPO Reno7 AやAQUOS sense7などのスマホと比べても特に低いということはありませんのでまあ想定通りといったところでしょうか。
ただ、ソフトウェアの作りが甘いのかGalaxy Tab A9+やOPPO、Xiaomiなどのスマホと比べてUXの項目が低めに出ているのが少し気になります。

間違ってもゲームをするようなタブレットではありませんので、ゲームをしたい方は素直にGalaxyやOPPO、Xiaomiなどが出しているハイエンドタブレットかiPadをおすすめします。

ソフトウェア

先代のd-41Aでは文字フォント変更ができるなどシャープらしさが少し残っていましたが、本機ではほとんどすべてのシャープ要素が取り除かれています。
システムフォントもd-41Aではモリサワ新ゴが搭載されたことをアピールしていましたが、d-51CはGoogle標準のNoto Sansとなっています。
「かんたんホーム」、「AQUOSホーム」と音量調整のUIぐらいしかシャープを感じることができません。

AQUOSトリックをはじめとしたメーカーカスタマイズが一切ないので何よりバッテリーの寿命が縮まるのが問題かと思います。
フォントが読みづらいのは置いておくとしても、エントリースマホのAQUOS wishシリーズにもあるような電池を満タンにしない設定やダイレクト給電の設定などがないのが結構いただけません。

ドコモアプリ類はインストールされていますが、アンインストール可能なものもいくつかあります。

最新のAndroidバージョンは14で15へのアップデートは予定されていないことから14で最終となると思います。

指紋センサー

生体認証として指紋センサーが採用されています。
センサーの位置自体は自然な場所にありますが、使ってみたところ認証精度があまりよろしくない感じがします。

Lenovo系は顔認証なのですが、マスクをしていない場所でパッと使うには顔認証のほうが使いやすい気がします。
そこは自宅などではSmart Lock併用でなんとかしてくださいということでしょうか。

パスキーなどにも使えるのはいいと思います。

ただ、充電ケーブルなどをつないで寝かせたままいると指で触れにくい場所にあるのが気になりました。

カメラ

写真をメインで撮るような端末ではないですが、一応撮影したものをひとつ。

クリックで元ファイル(1.6MB)が見れます。

カメラと関連して、d-51Cにはフラッシュライトがついておらず懐中電灯機能なども使えません。

おま環な地デジチューナー相性問題

冒頭で諸事情で手放すことになったと書いたのはこのことです。
ほとんどの人には関係ないことなのですが、一応書いておきます。

私は外でテレビを見るのにAndroid端末とピクセラのUSBチューナーを使うのですが、このタブレットで使うと異常に電波の入りが悪いです。

例えば、AQUOS wish3やGalaxyで屋内の窓際でワンセグがギリギリ入るような場所にいるとします。
その場合、それらの端末では屋外に出るとフルセグは無理でもワンセグは途切れることなく安定して入るようになります。
他の端末でワンセグアンテナレベル4(良好・もう少しでフルセグも見れる)ぐらいになっていてもd-51Cではアンテナレベル0(圏外)だったりします。

総評

まあそのような相性問題とも思える事情で手放すことになりました。

悪い端末ではないと思いますが、お風呂防水が必要でなければLET02やLenovo Tab7のほうがいいのではないでしょうか。
物理SIMで4キャリアすべてのプラチナバンドに対応していますし、バッテリーを満充電にしない機能やウィンドウ管理の機能なんかもあります。
私もLET02にしました。

eSIM専用なのとAQUOSトリックのない点で使用継続するかかなり悩みましたが結局USBチューナーの相性で手放す踏ん切りがついた感じです。