2.5万円のBS4K&Android TV機「PIX-SMB400」レビュー
12月1日からはじまったBS4K。その一番安いチューナーのPIX-SMB400を買ったのでレビューです。
使いやすいところ、使いづらいところ、どちらもありますのでぜひ見ていってもらえればと。
チューナーだけどチューナーじゃない
1時間ほど触ってみて、この一言に尽きます。
チューナーとして買うと普通に後悔します。ぼくも後悔しました。
チューナーが付いたPCとかスマホの延長線上にあるようなものだと思ったほうが良いです。
マルチメディア端末としては優秀な箱だと思います。
ホーム画面はまんまAndroid TVのこんな感じでした。
SHIELD TV使ってる身としてはデレステ動かないのが物足りないなと。(普通のAndroid TVで動くわけがないんですけど。)
チューナーとして使うにあたって気をつけておいたほうがいいところを書き出していきます。
リモコンがチューナー向けではない
付属リモコンが死ぬほど使いづらいです。
ホームページに写真は掲載されていたのですが、AndroidOSのほうの操作がメインとなっておりテレビの操作にはストレスが溜まってしまうものでした。
まず、テレビ画面でチャンネルをザッピングするためのボタンが足りません。
十字キーをデータ放送とチャンネル選択で排他利用です。
ザッピングをできるように設定をするとデータ放送を使うときに不便です。
音量調整ボタンも内蔵ミキサーでの音量調整ができるのみで、赤外線でテレビの音量を操作することはできませんでした。
学習リモコンも使えません。BTリモコンは使えます。
オプションでチャンネルキー付きのリモコン(たぶんパナのOEM機についてるやつ)が販売されるらしいのですがいつになるのでしょうか…。
(追記)発売されましたが5000円はちょっと高くないですかね…。ならシャープチューナーでいいやって人もいるかもです。
きれいに音声出力ができない
チューナーでは普通に実装されているAACでのビットストリーム出力ができません。
ドルビーデジタルプラス(非可逆)、ドルビーデジタル(非可逆)、ステレオPCMの3種類から選ぶ必要があります。
マルチチャンネルPCMに対応していれば多少はマシだったんでしょうけど、非対応。
ステレオはPCMで出力できますが、サラウンド音声は必ず非可逆圧縮が必要になります。
ドルビーDRCの関係で、PCMと音量が違うのも地味に首ひねりポイントでした。
とにかく既存のレコーダーやテレビと音量がうまいこと合いません。
そしてレグザのZ2に接続したのですが再生ソースにかかわらず常時サラウンド判定になります。なんでだ…。
また、AndroidベースのOSですので内蔵ミキサー処理が入ります。
これがくせ者で、音量調整系統が2つあることでどこでミュートしたか音量を下げてるかわからずこんがらがります。
しかも最大音量レベルがなぜか小さく、Youtubeなどの普通の動画(コロムビアの試聴動画とか)でも地上波テレビより音量が小さいです。。
また、テレビ側でドルビーDRCを入れていると、どの音量を使っていてもテレビ側で一定音量(しかも地上波テレビよりデカい0db基準)になり、本機のリモコンの音量ボタンは全く意味を持たなくなります。
ミキサーを通すのでステレオPCMでもどこかで劣化が発生するのもマイナスポイントです。
価格が魅力
なんかネガキャンに見えてしまう気がするので、いいところも書いていきます。
本体の価格がもともと4Kチューナーのなかで最安値なのですが、さらにU-NextのクーポンやNetFlixの3ヶ月無料権などがついてきました。
実質7500円ほど還元になり、お得感が強いです。
YoutubeもAbemaTVもLAN動画も見れる
ベースがAndroid TVなので、メディアファイルやネット動画はだいたい見れます。
VLCを入れればSambaで動画を引っ張って見ることもできます。
ホーム画面にAbemaTVの現在番組やYoutubeのおすすめ動画を並べて見れます。
ChromeCastにも対応しており、スマホで見ているコンテンツをワンタップでテレビに出せるのはいいところだと思いました。
録画機能に期待すること
録画機能が本放送に間に合わなくて価格が暴落しましたが、そのお陰で安く見れたのでいいです。
別に専用HDDに残したところで見ないだろというのはあるので。
他のチューナーだとUSB-HDDが8台までですけど、Android TVのせてる利点を生かして無限に増やせると買う人が増えるかもですね。
(追記)どうやら台数制限はない模様。ムーブができれば最高ですけど、別にHDD積めばいいので問題はないですよね。
安定性はどうなのか
うちの環境ではコマ落ちや、処理落ちは見られません。
ただFHDでしか出力してないので4K出力すると安定性ボロボロになるのかもしれません。
4Kテレビをおごってもらえれば耐久試験しますよ?
録画は安定性だめでした。
PIX-SMB400 録画番組で音声早送り、映像と同期がとれなくなるの図
もちろん等倍 pic.twitter.com/VG5cRuMEcq— (まっちゃ .̫ .`)? (@maccha_pie) January 8, 2019
HDR紅白はDropしてないので今後のアプデに期待です。
1月のアプデで改善しました。まだたまにカクつきますが、数分に数フレーム飛ぶくらいで音声を巻き込むほどではないので、まともに見れるレベルにはなってます。
アニソンプレミアムは安定して再生できるもののDropしてました。
そして、なぜか録画した番組で早回しをすると字幕が表示されなくなるバグがありました。
(追記)1月のアプデで改善してます。
フォントのレンダリングはきれいなんですけど、コントラストの具合か背景と一体化してしまい見づらいんですけどね…。
数週間使って気になったこと
ここまでは試験放送の段階で書いていたものです。
ここからは本放送を見ていて気づいたことなどを書いていこうかと。
HDR→SDR変換のアルゴリズムがボロボロ
まだまだSDRのみ対応のテレビが多いと思います。
HDRの番組を見た時にやたら暗く表示されるという現象が起こります。
本来綺麗に見れるはずのHDR番組のほうがマトモに見れない状況は非常に困ります。
また、民放系の4KチャンネルはSDR収録の番組でも常時HDR信号を出し続けているため、2Kチャンネルを見たほうが色鮮やかで綺麗という本末転倒っぷりです。
いくつかのメーカーで起こっているみたいですが、ここはアップデートで改善を期待してます。
CATV STBのCECと干渉する
おま環と言われればそこまでなんですが、なぜか本機に向けて飛ばしたCEC信号が同じテレビに接続しているTZ-LS300に飛びます。
TZ-LS300をHDMIから引っこ抜くとPIX-SMB400側にちゃんとCECが飛びます。
そしてスプリッターを通してないのにHDMIに枝番がついてHDMI3-1になります。
なんでだ?
我が家の環境を書いておくとREGZA Z2に以下の機器を繋いでいる状態です。
HDMI1:TZ-BDT920→MDR-DS7500
HDMI2:TZ-LS300
HDMI3:PIX-SMB400
テレビ側、チューナー側、STB側どこかわかりませんが、一応起こりましたという報告を。
おすすめ
テレビのメーカーにかかわらず4Kが見れればいい人は芝のチューナーをおすすめします。
テレビがHDR10のみ対応ならシャープ、アイ・オー、マスプロあたりで。
マルチメディアも楽しみたいなら本機かOEMのパナ、フナイあたりで良いと思いますが癖が強いのが難点です。
人柱バンザイだったら本機。安定性重視(ただしアプデ遅い)ならパナで。
リモコンを後で買い足すくらいならフルリモコンがついてるパナのほうがいいかもです。
(追記)アプデをしてみて
12月、1月と録画対応、Wi-Fi対応というアップデートがありました。
LANケーブル引っこ抜けるようになったことでいろんな部屋でAndroid TVとして使えるようになったかと思います。
また、安定性がアプデのたびに格段に良くなっています。これからに期待です。
XitでCECの制御ボタン(テレビリモコンの再生や早回しボタンなど)が使えるようになってくれると使いやすくなるかと思います。
あとはオートチャプターぐらいですかね。
BS4Kのエントリーモデルとしてはもう十分な機能がついています。
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