フルHDパネルなジェネリックビエラ「ORION OL22CD400」レビュー

フルHDパネルなジェネリックビエラ「ORION OL22CD400」レビュー

以前から小型フルHDテレビを買うのにハマっており、久々に国内有名メーカーでSHARP以外から発売されたので人柱で試しましたよって話です。

取扱店

大手だとビックカメラグループのビックカメラ、コジマ、ソフマップあたりとQoo10で取り扱いしています。

「22V型 地上・BS・110度CS デジタルフルハイビジョン 液晶テレビ Wチューナー LED直下型バックライト 日本設計メインボード搭載 外付けHDD裏番組録画対応 HDMI HDD録画機 ブルーライトガード イコライザー 22型 22インチ d021」をAmazon.co.jpで検索

またAmazonで東京Decoの商品として販売されているこのテレビですが、実際にはオリオン社製のOL22CD400が届くというレビューが入っています。
こちらから購入していないので自己責任となりますが、スペックシートなどとも矛盾がないためオリオン社製のテレビが届く可能性が高そうです。

今回実機を購入したのはコジマです。

スペックをみる

まず目を引くのが22型でフルハイビジョンパネルを採用しているという点。(40型以下でフルハイビジョンパネルを搭載しているテレビはあまりありません。)
その他のスペックは格安テレビなりのスペックで特に目立つものがあるというわけではありません。
22型なので格安テレビの売れ筋(23インチや23.6インチ~24インチ)より一回り小さいという状態です。
ただ22型と書いてありますが22インチパネルではありません。この点については後述します。

HDMIはCEC、ARCに対応しており充実している感じです。
スピーカーは3W+3Wで非力に思います。用途によりますがあまり気にならないと思います。

外観まわり

全面から見るとスッキリしていて不満点はありませんが、直下型バックライト搭載機特有の奥行きが結構あり横から見るとずんぐり体型です。
動作LEDは赤緑の2色で操作系のボタンと一緒に下にはみ出ています。
奥まったところにあるので見下ろす形で設置していれば覗き込まない限り見えることはありませんでした。

足は左右にそれぞれ組み付けるタイプとなっており、ネジで固定式です。
ディスプレイアームにつけてしまったので使用していないのですが、かなり華奢に見えました。
個人的にはメタルラックに組む時にはまったり見た目が好みではなかったりと好きなタイプではありません。
VESA用マウントもあり100×100の一般的なディスプレイと同じタイプのものなのでパソコンディスプレイに使うディスプレイアームなどを使うこともできます。
アームを使うと本体の厚みのせいでサイズ感のわりに結構前に出ているように感じるのでここは注意点かもしれません。

インターフェース

アンテナ端子は地デジ用とBS・CS分離型なので分波器が必要なタイプです。
B-CASはミニタイプでカチッと完全に飲み込むタイプですが、抜け防止のためのカバーも付属しています。
入力系端子はHDMIは2端子(底面と左面にあり、底面のものはARC対応)と赤白黄色のコンポジット入力です。
音声出力系統としてアナログ3.5mm(ライン出力ではなくヘッドホン端子ですが、独立音量制御に対応)と光デジタル出力です。
ほかに双方向通信に使用するLAN端子があるのみでシンプルですが過不足ない(光デジタル出力があるなど豪華めな)ラインナップとなっています。

ソシオネクスト製メインボード搭載

数年前に東芝製のメインボードを搭載したジェネリックレグザが話題になりましたが、本機は富士通とパナソニックのシステムLSI部門が独立したソシオネクスト社のボードを搭載していると状況証拠的に考えられます。
なので、操作系統やフォント、UIのクセなどがビエラと似ている部分が多くあります。

特に番組表なんてGガイドを引っこ抜かれたビエラまんまで番組消失するところなどそっくりです。
広告がない分ビエラより見やすいのかもしれませんが…。
まあソシオネクストや東芝系のボードを搭載していない本当の格安テレビと比べると格段に使いやすいですしクセもないので悪くはないはず。

各種レスポンスもビエラほどではありませんが、そこそこで使っている上で困ることは無いと思います。
チャンネル切り替えは普通のテレビと同じくらいの速度で特に不満はありません。
番組表をスクロールするときの描画はフラッグシップモデルと比べるとレスポンスが悪いですが、不満というほどではありません。
UIに画質設定が適用されないのでLED最低輝度でも白文字が眩しいことがあるのだけが不満点です。

採用パネルと画質

公式には採用パネルなどは出ていないのですが、PC Trustの通販ページでパネルメーカーや輝度、コントラスト比、視野角などが出ています。
それによると中国HKCの5000:1のパネルとされています。
コントラスト比と視野角なども加味してみるとVAパネルだと思われます。

そして先ほども書きましたが、このモデルは22型として発売されています。
これは縁も合わせた大きさで実際のパネルは21.5インチパネルです。

この条件でPanelookをみると、PC214CTシリーズがヒットしました。
コントラスト比が5000:1とされていますがパネル自体の性能は3000:1、画質設定の動的コントラストをつけたときのダイナミックコントラストが5000:1ということでしょうか。
応答速度も7msか14ms(実機を見る限り7msだと思いますが、あまり自信がありません。)で特段遅いということもありません。
採用パネルは悪くは無いと思います。

VAパネルなので視野角はかなり厳し目な感覚があります。
一番いいホットスポットは10度ほどというところに感じられ、そこから外れると白浮きが見えるようになりコントラストが下がります。

格安テレビにありがちな直下型バックライトの罠にはまる

格安テレビは「直下型LED」をアピールしていることがよくあります。
本機も直下型LEDバックライトを採用しており東京DECOが販売するモデルでは直下型LED採用をアピールしています。

ただ、この直下型LEDには罠がありまして暗い部屋や目が弱い人が使う場合にまぶしすぎるという点です。
LED数にもよりますが絶対的なLEDの数が多くなり輝度は確保できますがバックライトを暗くしきることができず、最低輝度でも眩しくなりがちです。
実機を見ると私には白が眩しく感じられます。

また、調達の段階で純粋にパネルのみを調達することになります。
パネルメーカーがバックライトに関与していないということで、質の悪いLEDを使用したりキャリブレーションをうまくしたりしていないと変な色になることもあります。
ノートパソコンや一体型パソコン用のパネルの流用だったらLEDとセットになったパネルキットを利用されることがありますが、こちらのほうが色のキャリブレーションがうまくできている印象です。

そして、何といっても光を拡散するために厚みが必要だという点が最大のデメリットに思います。
実際に横から見るとかなりずんぐりしたフォルムになっています。

そもそも直下型バックライトを採用するメリットは細かいローカルディミングなどの制御を行いコントラスト比を上げることにあると私は思っていますので、格安テレビで採用する意味は無いと思います。
とは言っても東芝やSHARPなどの大手も小型モデルで採用例がありますが…。

使いやすいリモコン

ORION社で買う魅力はここだと思います。
押しやすい、変な配置じゃないリモコンが付属すること。

中央の決定キー・方向キーとその周りの4キーはメタルドーム加工(カチッとレスポンスのあるボタン)になっているのでかなり使いやすいです。
音声切替や字幕切替キーも独立しており、再生時のスキップなどもひと通り省略されずに搭載されていますので困ることはないと思います。

リモコンの信号自体もジェネリックメーカーですがメジャーな方のメーカーにあたりますので、レコーダーのリモコンなどにプリセットされている場合があります。
パナソニックのDIGAのリモコンにはプリセットされていませんでしたが、パナソニックコネクトのケーブルテレビSTBのリモコンでは「オリオン(01)」のプリセットで操作ができました。
ここはお持ちの機器によりますが、アドバンテージとしてあるかと思います。

発射の光量が多いのかかなり感度が良いのも印象的でした。
リモコンをLモード(Longモード)にしていると見通せる場所なら反対方面に向けてリモコン操作をしてもおおむね受信してくれる感じです。

その他細かいけど見ておきたかったところ

ここはニッチなコーナーなので興味がない人は読み飛ばしてもいいところです。

HDMI CECの挙動

かなりプレーンな実装となっておりクセも少ない方だと思います。

使えるボタンは初期で「上下左右」「決定」「再生」「一時停止」「停止」「早送り」「早戻し」「チャプター次」「チャプター前」「4色ボタン」です。
レコーダー操作を拡大モードにすると「1」~「12」「番組表」「データ」(dボタン)「音声切替」が使えるようになります。
また、メニューからは「番組選択」(録画リスト)「ドライブ切替」「画面表示」「電源」「予約一覧」「リンクメニュー」(ホーム)「番組表」「セットアップメニュー」(サブメニュー)の操作ができます。

レスポンスもひと呼吸置かないと信号が飛ばないようなテレビもありますが、こちらのテレビは違和感なく操作できる程度の遅延に抑えられていました。

電源連動まわりはオンオフともに実装されており、機器からテレビをつけることも可能です。
節電機能として入力切替でHDMIから別ソースに画面を変更した時に電源オフ信号を飛ばすこともできます。

欲を言えば「地デジ」「BS」「CS」、「録画リスト」や「番組説明」などもCECで操作できるとありがたかったのですが、十分使えるレベルだと思います。

パソコンで利用するときの設定

HDMI接続時に大きな遅延などもみられないのでディスプレイとして使いやすい部類に入るテレビだと思います。
パソコンやゲーム機で使う場合は以下の設定を行っておくときれいに映せると思いますのでメモしておきます。

  • 画面サイズ切替
    「フル」にする
  • 映像設定
    「輪郭強調」を0にする
    「動的コントラスト」「ノイズ低減」「MPEGノイズ低減」「高度な設定」をオフにする
  • 映像設定→画面の設定
    「オーバースキャン」をオフにする
    「両横ノイズカット」を標準にする

あとはお好みで調整してもらえればいい感じになると思います。

一応文字表示はこんな感じというのを。

個人的な考えですが、テレビはあくまで作業時の拡張用として使うだけにとどめてメインモニターにするのはやめておいたほうがいいと思います。

字幕とデータ放送のレンダリング

ジェネリックレグザだとおおむねレグザと同じようにフルHDでの描画となりますが、ジェネリックビエラだと昔のビエラ相当(SD相当)の解像度でレンダリングが行われます。
Firefox OS搭載のビエラなどではレンダリング解像度がネイティブに改善されていますが組み込み系のジェネリックだとまだジャギジャギの字幕です。