REGZAとWindows 10系のSMB共有相性問題についての雑記

REGZAとWindows 10系のSMB共有相性問題についての雑記

43M530Xを買いましたが、SMB共有の相性問題が発生したためその関係のログを残しておきます。

我が家の環境について

ASUSの無線ルーター(AC87U)にサーバー、リビング用テレビ(37Z2)、RECBOXを直結しています。

また、無線acで飛ばした電波をコンバーター(WG1800HP)で拾い43M530XやデスクトップPCをつないでいます。
2点間のスループットはリンク速度で700Mbps程度、常時実測300Mbps以上を安定して通信できています。

登録できない問題

Z2、M530X共通の問題です。
Windows7以降のSMB共有を見つけることができません。

こちらは5chのほうで解決策が出ているので割愛。

認識しない問題

SMB1.0が必要です。
また、権限設定をレジストリまたはローカルセキュリティポリシーで設定しないといけないです。

また、サーバーがWindows10系ではテレビ本体に内蔵されている無線LANでは十分な速度が出ていてもサーバーを見つけることができないことがあるようです。
有線LANだと見つかりました。

通信速度が出ない問題

こちらは最近のREGZA独特の問題のようです。この記事の本編。
Z2では発生せず、M530Xでのみ再現しました。

SMBフォルダを見つけ、再生まで行けるものの通信速度が平均10Mbps程度で頭打ちになりガクガクになる問題です。
同じ経路をたどっていてもLinuxベースのNASや仮想マシン上のUbuntuとの通信ではBSソースの20Mbps以上の通信速度を出すことができます。

ルーターの交換、通信経路の見直し、サーバーのネットワークデバイスを変えるなどしても改善しませんでした。

他のPCやZ2相手だとちゃんと速度が出るので相性問題だと判断しました。

BS11ソース(20Mbps前後)で試した挙動を投げておきます。

速度が出ないの図

Linuxの踏み台サーバーを作ると安定して通信できるの図

下に書いている踏み台サーバーを作る、LinuxベースのNASを買い足す、ラズパイなどでSambaベースのファイルサーバーを作るなどの方法で解決してください。

踏み台(プロキシ)サーバーをUbuntuで作るメモ

原因はWindowsのSMBとREGZAの相性だとわかったので、サーバー上にUbuntuでSambaプロキシを作ることにしました。
コマンドラインでの管理が死ぬほど嫌なので多少重いですがDesktop版を使っていますので、CUIでやる人はこれを参考にちゃんと設定してください。

UbuntuからCIFSでWindowsにアクセスする際に上に書いたSMB1.0のインストールや認識作業は必要ないです。

Virtualboxの設定

適当にUbuntu用設定をすればいいのですが、ネットワークデバイスを2つ作ります。

ひとつはホストオンリーアダプターでサーバーのWindowsとUbuntuを直結します。
こちらは、Windowsにファイルを読みに行く用のネットワークデバイスになります。

もうひとつはブリッジアダプターでUbuntuとREGZAの通信用です。

メモ:VMWareでの設定

基本的にはVirtualBoxと同じなのですが、Ubuntu設定でインストールするとデフォルトで10Mbpsのネットワークアダプターで接続となります。
そのため、設定ファイル(vmx)ファイルに「ethernet0.virtualDev = “e1000″」を追加しネットワークアダプターのデバイスを指定してあげます。
ブリッジアダプターも使い2つのネットワークアダプターを利用する場合は「ethernet1.virtualDev = “e1000″」も必要です。

また、ホストOSのネットワークアダプターの設定で「VMware Network Adapter VMnet」のIPv6を切っておかないとブリッジ接続時に速度が出ないことがあるようです。

Ubuntuの設定

Ubuntuのターミナルを起動し、以下のコマンドを打ち込みました。

sudo apt install cifs-utils
sudo mkdir -p /mnt/E
sudo gedit

geditをrootで起動したのち2ファイルを書き換えます。

ひとつは「/etc/fstab」です。
こちらはWindowsの共有フォルダをマウントするための設定ファイルです。
末尾に

//192.168.56.1/E /mnt/E cifs vers=3.0,username=maccha,password=maccha,rw,dir_mode=0777,file_mode=0777 0 0

を追記します。タブまたはスペース区切りです。

IPアドレスやマウント先などは適当に変えてどうぞ。
REGZAからファイルを読むにはWrite権限も必要なのでrw、フルコントロール権限を与えています。

もうひとつのファイルは「/etc/samba/smb.conf」です。
こちらはSambaの設定ファイルになります。
共有するフォルダなどはあとでGUIで設定するのですが、基本設定を変えておく必要があるので直書きします。

[global]のすぐ下に以下の設定を書き込んでおきます。

unix extensions = no
usershare owner only  = false
server min protocol = NT1

(追記)以前はSMBバージョン1をデフォルトで喋ってくれていたのですが、最新のSambaになるとセキュリティ強化のためか喋れなくなっています。
コンフィグで設定変更の必要があります。

いろいろと不都合が起こるのでUnix拡張を切るのと、ファイルの所有権を無視するようにしておきます。

再起動したあとにGUI上のファイルアプリで、他の場所からコンピューター(/)に飛び、mntフォルダにマウントしてあるフォルダーを共有します。
「このフォルダー内でのファイルの作成・削除を他のユーザに許可する」と「ゲストによるアクセス」はどちらもオンにしておきます。

あとはREGZAを起動し、「設定」→「録画・再生設定」→「LANハードディスクの登録」→「再探索」を行うと認識されると思います。
ac対応ルーターを使っていると無線LANのアンテナ1個表示でも20Mbpsの通信速度を確保でき、ちゃんと見れました。

つながれば使いやすい

一回つないでしまえば、TS抜きで溜まっているデータをネットワークで読めます。
音声多重放送対応(ただし「ウラトーク」などの音声の名前表示には非対応)、ARIB字幕対応、BSのニュース速報などの文字スーパー対応です。

Z2ではできなかったLANハードディスクでの早見早聞もM530Xではできるようになっています。

また、新たに左右ボタンでの20分の1スキップが追加されておりこちらも長時間番組に便利でした。

メタデータの読み込みは試していません。

チャプターやレジュームは使えません。

ARCや光デジタル端子でのAAC出力、テレビ側のフレーム補間、モード判断などは録画番組同様フルで使えます。
ただEPG回りは読めないため、レグザエンジンCloudのクラウド連携や番組表のジャンルでの画質調整ができません。
レグザエンジンCloud搭載の540X世代以降だと本体チューナーからUSBハードディスクに録画するほうが画質が良くなる可能性ありです。

東芝の見やすい番組表などにこだわらないならビエラのほうがいいと思います。
レジュームも条件付きで使えるっぽいです。

以上雑記でした。

おまけ:USB HDDでもTS読めます

USBHDDやUSBメモリにTSを突っ込んでREGZAに差し込むとこれも字幕など対応で読み込めます。
これはTT-4K100(4Kチューナー)も同様の仕様のよう。
対応フォーマット形式はFAT系(exFAT含む)とext系のようでNTFSはだめです。
NTFSなTSを読みたいなら、SONYのブルーレイプレーヤーがおすすめです。字幕も出せます。